元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「私は誰のことも恨んでおりません。むしろ、そうして育て、送り出してくださったことを感謝しております」

「亜人のもとで囚われの生活を送るようになっても、か?」

「それは誤解です。私は魔王と……シュクルとの結婚を伝えるために今日、こうして参ったのですから」

「……結婚、か」

「はい。魔王との関係は非常に良好で、同じく身近にいる亜人たちも友好的な人々ばかりでした。だから結婚を決めたのです。人間と亜人は協力して生きていけるのだということを知らしめたくて」

「……ふむ」

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