元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「私……私は娘として認められていないのだと思っていました。だから供物として捧げられることになったのかもしれないと……」

「そんなことはない。お前を選んだのは……母のことがあるからだ」

「……それは幼い頃に亡くなったお母様のことではなく、私の本当の母のことですか」

「そうだ」

 ゆっくり、深呼吸する。

 その話はエドワードも深く教えてくれなかった。ティアリーゼが知っているのは、母がメイドだったということだけ。

「お前の髪と瞳の色は母から受け継いだものだ。……タルツを興した最初の王ではなく」

(ああ、やっぱり……)

「……薄々、そんな気はしておりました」

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