元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「明らかに王家の血筋以外の容姿を持ったお前は、この国の災いのもととなる可能性があった。だからせめて供物として、王女であったという事実だけ残そうとしたのだよ」

 父の言いたいことはティアリーゼにもわかる。

 王家の血筋は守られるべきもので、名も知られていないメイドの血が混ざっていいものではない。しかしティアリーゼにはその別の血が色濃く出てしまった。姫として育てられ、もっと表に露出することになれば、口さがない人々は言うだろう。

 ――あれは本当にタルツ王の子なのか、と。

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