元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 ティアリーゼを切り捨てたように、エドワードも切り捨てられてしまったのだ。もとはと言えば父王のそういったやり方がエドワードにあんな所業を強いたのだが。

(シュクルはまた、滅ぼすか、と私に聞いたわ。今の私はあの人が本当にそれをできると知っている)

 なにか行動を起こせば、再びシュクルは牙をむくだろう。それがわからない父ではない、と信じたかった。

 あの日のことは、タルツの――人間たちの間で面白おかしく誇張されながら語り継がれているようだ。

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