元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 白蜥の魔王は亜人でありながら人間の姫に恋をした。ふたりの仲を許さない『勇者』が姫に手をかけようとしたが、姫を守る魔王の手で打ち倒されることになる、と。そうして魔王は姫を攫い、我がものにしてしまったのだと――。

(全部間違いってわけじゃないのが困りものよね)

 本来、ティアリーゼが魔王を止めなければならない立場だった。

 それなのに同じ人間の仲間たちから責め立てられていないのは、魔王の恐ろしさを目の当たりにした者が多かったからだろう。更に言うなら――ティアリーゼの知らないところで、兄の真実を伝える者がいたらしい。

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