元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「さすがにそこまでされては、お戻りが何十年後になるかわかりませんので」

「そのときは飛んで戻る」

 しれっと言うと、シュクルはティアリーゼのこめかみに鼻先を押し付けた。

「もう、どのように姿を変えるか覚えた。ティアリーゼを守ることも難しくない」

「……怪我だけはしないようにしましょうね」

 驚いたことに、シュクルが姿を変えたのはあの日が初めてだと言う。そういった面でも不完全だったのだが、感情に支配された結果、その方法を覚えたとのことだった。

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