元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 多少自信がついたのか、それ以来シュクルは好んで外を出歩くようになった。ティアリーゼがいればティアリーゼと。もし都合がつかないようならひとりで。

 トトが頭を抱えているのは、そんなシュクルが友人のキッカの放浪癖を理解してしまったからだ。彼ならば自身の収める砂漠にすぐ戻るだろうが、のんびり屋のシュクルは遊びに行った先で楽しくなった結果、帰ってこなくなる可能性がある。

 だからティアリーゼはなるべく同行するようにしていたのだが、ついに城下街を散策するだけでは物足りなくなったらしい。周囲に提案されたのもあって、今回の旅行を決めたというわけだ。

「では、後は任せた」

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