元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 ティアリーゼとシュクルの指には、人間らしく指輪が嵌まっている。本来石を嵌め込むべき場所にあるのは、透き通った紫色の塊。シュクルが己の角をティアリーゼのために砕いて、かけらにしたものだった。

 ティアリーゼからすれば装飾品はこれで充分である。

 しかし、シュクルはなにか考えたようだった。



「わかった。私は夫としてお前の望みを叶えなければならない。綺麗になりたいと言うなら、両腕に抱えきれないだけの装飾品を贈ろう」

「えっ、そんなにはいらないんだけど……」

「行ってくる」

「しゅ、シュクル?」



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