元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 ティアリーゼが頭をひねっていると、シュクルの方から口を開いた。



「人間はごみが好きだな」

「……ん?」

「私には必要のないものをありがたがる。以前、トトの話を聞いておいてよかった」

「なんのこと?」

「これを返すのを忘れていた」



 なんの脈絡もなく、空のカゴを差し出される。

 今朝、そこに入れておいたシュクルの皮はどこにもない。



「シュクル、ここに入ってたものは……」

「これと交換した」



 なんてことのないように言うと、シュクルは装飾品のひとつを手に取る。



「獣人の、それも竜の皮だと言うと喜ばれた」



(そういうこと……!?)



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