元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 竜という性質がそうさせるのか、シュクルは一応王宮育ちのティアリーゼですら唸るほどの逸品ばかり選んでいた。

 首飾りひとつで家が複数建ちかねないほどのもの。とてもシュクルのお小遣い――そんなものが魔王に存在するかはともかく――からまかなえるとは思えない。



「金は使わなかった。私には必要ない」

「……まさか、ぬす」

「盗みもしない。他者の物を奪えば、必ず報復がある」

「そうよね。そういう考え方だものね……」



 シュクルの報復がどれほどのものか、ティアリーゼはよく知っている。

 しかし、そうなるとますますこれをどうやって入手したのかがわからない。

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