元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 特に好むのは狩りたての獣の生肉だが、ティアリーゼのことを気にしてあまり口にしていなかった。

 あれを口にした後、人間がするように求愛行動――ティアリーゼはキスと言っていた――を取ると絶妙に避けられるのだ。

 テーブルについたシュクルの前に、使用人たちが食事を用意する。

 彼らはシュクルの父の代から勤める優秀な獣たちだった。

 なぜ城で働いているのか、なんのためにそうしているのか、シュクルにはいまいちわかっていない。

 ティアリーゼに「どのように給金を与えているのか」と尋ねられたときは首を傾げたものだった。

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