元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「だが、お前はよく眠っていた。眠りが必要だからではないのか」

「そうかもしれないけど……。シュクルと一緒にご飯を食べたかったの」



(明日からは毎日起こそう)



 ぱたぱたと尻尾が揺れる。

 それを見て、ティアリーゼが微かに笑った。

 ティアリーゼに供される食事はシュクルのものとまったく異なっている。

 人間の口にシュクルの食事は合わないらしく、せめて肉は焼いてほしいと訴えられたのは記憶に新しい。

 火を恐れないシュクルだから構わないが、もし火を恐れる亜人に言えば問題になるだろう。



「今日はティアリーゼの好きなものがある」

「……あら、本当。朝からいい思いをしたわ」
< 461 / 484 >

この作品をシェア

pagetop