見捨てられたはずなのに、赤ちゃんごとエリート御曹司に娶られました
私が子育て中なことも知っているため「息子ちゃんも連れてきて」と言ってくれて、そのつもりでいたのだけれど、こうしてひとりで出かけることとなった。
昨日圭人が、動物園でも行かないかと言い出したのだ。もちろん勇哉もすぐに「いきたい!」と乗り気になり、今日は定休日でもあるため父と母も一緒に行くと話に続く。
「行ってらっしゃーい!」
「いってらっしゃーい」
圭人の言葉を勇哉が真似る。
勇哉はもうちょっと寂しがってくれても良いのにと切なくなりながらも、約束の時間もあるため、「行ってきます」と私はひとりで家を出た。
久々にひとりでお出かけだと、見慣れた道も新鮮に感じながら、急ぎ足で駅に向かう。
ちょっぴり浮かれ気味なのは、格好のせいもある。
今日は小花柄で紺色のワンピースを着ている。ずっとパンツスタイルばかりだったので、スカートを履いたのはマタニティの時以来だ。
ギリギリで電車に間に合い、空いていた座席に腰掛け、ふうっと胸を撫で下ろす。
電車を乗り継ぎ一時間後、私は懐かしさを感じながら電車を降り、ドキドキしながら外へと出た。