君じゃなきゃ。


こんな電車が止まってる時に。

だからこそ気付いたことなのかもしれないけれど。



相変わらず止まったままの電車の中では会社に電話をかけるサラリーマンで溢れていた。


腕時計を見ると電車が止まってから20分経過していた。

……完全に遅刻だ。


「あたしも会社に電話しておこう……」


カバンから携帯を取り出すと企画課に直接かかる番号をダイヤルした。



とりあえず遅れること……先輩の耳に入れておかなきゃ。

すごく心配して電話とかしてきちゃいそうだし。


コール音が何度か響いた後、カチャッと電話がとられた。


「はい。企画課です」


受話器からの声を聞いてあたしの体は一気に熱を持った。




< 205 / 357 >

この作品をシェア

pagetop