君じゃなきゃ。


「おっ!おはようございます!」

「ん?おはようございます……え~と……」

「あっ相川です!」

「あぁ!相川さん!おはよう!電話だと誰だかわかんなかったよ~。あっ、僕は竹下ね?」

「わかってます……」


わかってるから……声聞いた瞬間に体が熱くなったんだってば……。


いつも聞いている声なのに……電話だと直接頭に響いて、優しい低音があたしの思考回路を奪う……。


「相川さんどうしたの?体調でも悪い?体調悪いなら無理しなくても……」


そんな声で心配をされるとつい甘えたくなってしまうけど……

でもそうじゃなくて!


「違うんです。電車がちょっと停まってて……すみません、少し遅れます」

「え!?電車停まってるの!?大変だね……でも相川さんの体調が悪いとかじゃなくて良かった……」


先輩……。


電話越しにでもわかる安堵の色。


あたし一人の体調くらいじゃ……先輩に何の影響もないと思うけどな……。


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