君じゃなきゃ。


「はい、これ。リラックスしたいときは甘いものって言うでしょ?ブラックに合うよ」

と言ってチョコレートを一粒差し出してくれた。

「もしかして……これ買いに行ってたんですか?」


明らかに近くのコンビニで売っている20円のチョコレート。

しかも秋である今の季節限定のマロン味。


竹下先輩は満足気に口に運んで

「デリケートなことは聞いちゃダメだって」

口元で人差し指を立てていたずらに笑った。



いつもの仕事の顔とは違う表情。


先輩もリラックスしてる……?


さすがチョコレート効果。



苦めのブラックコーヒーが広がる口の中へ放り込むとチョコは甘く溶けて肩の力が少し抜けた気がした。
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