君じゃなきゃ。
席を立った竹下先輩が課に戻って来たのは15分後だった。
お腹の調子でも悪かったのかな……?
体調不良の様子でさえも隠してしまうのだろうか、なんて思っていると先輩は紙コップを二つ持って席に近づいてきた。
「はい。これでも飲んでゆっくりしよう」
「あ、ありがとうございます……」
紙コップの中を見るとブラックのコーヒー。
あれ?ミルクがない。先輩、あたしのコーヒーの飲み方覚えたって言ってたのに。
ま、しょせん彼女じゃなくて仕事仲間だもんな。
ブラックのままのコーヒーを飲もうとしたら先輩が止めに入った。
「待って、相川さん」
「え?はい……?」
言われるがままに口に近づくカップを止めてデスクに置いた。