君じゃなきゃ。


たまっていた仕事を片づけながら先輩にもらったチョコを一粒つまむ。

「ん、これおいしい……!」

「え?どれ?!」

あたしの一言にすぐさま反応して、包み紙を見てくる。

「これ、きなこもちです。どんな味かドキドキしてたんですけど……お餅が入ってておいしいですよ」

「へぇ……きなこもちね。了解。全部食べたらまた感想教えて」

「先輩本気だったんですか?!3つくらい教えてって!」

「当たり前だよ~」


マジマジと眺めていた包み紙から目を逸らして、その目をあたしに向けてくる。


「僕はいつだって本気なんだから」


元々色気のある瞳と顔立ち。



その顔で涼しげにそんなことを言ってくるから……


心臓の奥の方で何かが音をたてて跳ねたんだ。

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