羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】

「じゃ、結婚する覚悟はできたの?」
 そう宮坂さんは聞いてきた。

「結婚は……まだ早すぎると思うし。やっぱり恐れ多いって言うか。家系がちがいすぎるって言うか」
 私は続ける。「だって先輩は昔から『特別』だし」

「まぁ、ハイスペックなのは確かだけど。でも同じでしょ? それにあっちが、いいって言ってんだからいいじゃない」
「とはいってもそんなすぐに結婚しようとは決断できないですよ」

 私が言うと、宮坂さんは呆れたようにため息をついた。

「それ、ほんと贅沢な悩みよ。うじうじしている間に、春野に取られても知らないから」
「それは……」

 それはいやだ。それだけはわかる。

 私の今の正直な気持ちは、やっぱりただそばにいたいだけだ。
 そうするのに、結婚とかそういう形は本当に必要なのだろうか。

< 187 / 302 >

この作品をシェア

pagetop