羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】
「じゃ、結婚する覚悟はできたの?」
そう宮坂さんは聞いてきた。
「結婚は……まだ早すぎると思うし。やっぱり恐れ多いって言うか。家系がちがいすぎるって言うか」
私は続ける。「だって先輩は昔から『特別』だし」
「まぁ、ハイスペックなのは確かだけど。でも同じでしょ? それにあっちが、いいって言ってんだからいいじゃない」
「とはいってもそんなすぐに結婚しようとは決断できないですよ」
私が言うと、宮坂さんは呆れたようにため息をついた。
「それ、ほんと贅沢な悩みよ。うじうじしている間に、春野に取られても知らないから」
「それは……」
それはいやだ。それだけはわかる。
私の今の正直な気持ちは、やっぱりただそばにいたいだけだ。
そうするのに、結婚とかそういう形は本当に必要なのだろうか。