羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】
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―――あの時。
最後の大会が終わって先輩は引退。毎日来なくなった先輩に私は心底ほっとしていた。
引退しても、先輩の人気ぶりはやっぱりすごくて、いつだって誰か女子に呼び出されては、告白されているようだった。多分周りも玉砕覚悟で、卒業の近い先輩にどうにか思いを伝えたかったのだろう。
私はというと、できればこのまま何もなく終わりたかった。
だってもし卒業間近で先輩と何か変にうわさされることがあれば、先輩が卒業した後も、みんなに仲間外れにされる可能性だって大いにあるのだ。しかも自分が卒業するまで二年間もだ。
そうなると、もう普通の高校生活は望めない。
時々、廊下を歩く先輩と目が合ったような気もしていたけど、気のせい、気のせい、気のせい、と三回唱えて、見ないふりをした。そして、そのうち、3年生に遭わないようなルートを選んで通るようになっていた。