羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】

 そんなある日の放課後。

 部活に遅れそうになり抜け道を走っていると、急に手をひかれる。
 驚いて、目を見開くと、その相手が羽柴先輩で、さらに目を見開くことになる。

「みゆ、ちょっといい?」
「……」

 もう放課後で部活も始まる時間。ここは抜け道。
 でも人が通らない保証はない。私の胸の音は大きく鳴っていた。

「俺のこと、避けてる? どうして?」

 先輩は少し不機嫌そうな声でそんなことを言う。私は思わず固まった。
 避けてはいた。もちろん、避けていた。そんなの当たり前だ。

 押し黙っていると、先輩の手がするりと頬を撫でる。


「っ!」
 私が身体をびくりと震わして一歩引くと、背中に校舎の壁が当たった。逃げ道はない。そのとき、先輩の熱い手が私の腕を掴んだ。

「ごめん、なんか、俺さ……、みゆのこと好きすぎて。全然何も手につかなくなって、今ちょっと変で……」

 それは突然の告白だった。私はパニックになる。

「な、ななななな何言って……⁉」
「みゆは俺のこと、どう思ってる?」
「私は先輩のこと……!」

 言いかけた時、近くで女子の声が聞こえた。すぐさまそれが特に先輩のことが好きだと公言している女子だと悟った。
 『さっきここで羽柴先輩見かけたんだけど……』、とそんな内容だったと思う。

 私は口を閉じて、自分の口を手でふさぐ。
 足音は近くまで来ていて、私は、胸がドキドキしていた。

 絶対見つかりたくない。もし、先輩と一緒のところ見つかったら……!

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