羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】
「あのとき、私、先輩に飛び蹴りして、全治3か月まで負わせて、先輩は受験も失敗したんでしょおおおおお!」
私は泣きながら叫ぶ。「訴えるなら訴えてください! もう罪悪感に押しつぶされそうな12年間でしたぁああああ……!」
「ええっと……」
先輩は困ったように頭を掻く。「とにかく、傷害罪は時効10年。とっくに時効は成立しているよ。それに俺はみゆを訴える気なんて毛頭ない」
「でも……」
「十分、あの時のキスで償いは成立してるし」
先輩は優しい声で言って私の頭をなでた。その優しいしぐさにまた泣きそうになる。
「それに受験は……あのときの『飛び蹴り』でね、決意できたことがあって……。つまり、もともと俺は経営方向に行くはずだったんだけど……自分のいきたい分野に進もうって決めたんだ」
普通ならとてもいい話だ。私がきっかけで行きたい進路を選び取っただなんて……とてもいい話。
ただし、『飛び蹴り』の件さえなければ……。