羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】
解散のあと、宮坂さんは新田先生に送ってもらうことになった。新田先生のほほえみに宮坂さんの身を案じたけど、宮坂さんも新田先生の顔を見て微笑み合っていた。大人だ……。
私はというと、先輩と話したいのもあって、酔い覚ましもかねて、先輩と二人で街を歩いていた。
そして人通りが少なくなったところで足を止めると、
「あんなの聞いてませんでしたよ」
と言う。
「うん、言ってなかったからね」
先輩は意地悪に続ける。「でも、言ってたら賛成した?」
「それは……」
たぶん賛成はしなかっただろう。
「信頼できる人間は増やしておいた方がいい。みゆが信頼しないから相手も信頼しない。ね?」
私が眉を寄せると、先輩は苦笑する。
「これまで一緒に仕事してきたからわかるよ。宮坂さんは聡明だから、変な判断はしないよ」
「……信頼してるんですね」
「うん」
そうはっきり言った先輩の顔を私は見つめていた。
先輩は、こういうところが昔からすごいと思う。いつも彼の周りは先輩のことを好きな人であふれてた。今なら、みんなのその気持ちわかる気がする。