まだ、青く。
瞼を開けた時には凪くんの腕は私の耳にはなく、彼はカメラを持っていた。


「集中できた?」

「...はい。もう、大丈夫です」

「じゃあ、行こう」


私はその背中を追った。

大きくて

逞しくて

どこか懐かしい

そんな背中。

手を伸ばしたら触れられそうな距離にあるのに、

私は手を伸ばすことさえ出来ない。


触れたい...。

知りたい...。

聞きたい...。


凪くんの心の声を、

私は......

聞きたいんだ。


歩きながら、私はそんなことを思ってしまって、

凪いだはずの鼓動が騒ぎだした。

ふつふつとマグマのように沸き起こる生ぬるい名もなき液体。

体が燃えるように熱くなったら

気化して空へと還るかな。

胸を焦がすこの熱は

何?

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