まだ、青く。
「私達も行きましょう」


兆くんを追わなくてはと私は急いで支度を始めた。

取材ノートとペン、録音するためのスマホを持ったかを再度確認する。


よし、大丈夫。

いこう、私ならやれる。


そう自分に言い聞かせ、左手首につけたブレスレットを見つめた。


大丈夫。

今日も凪くんが居るから。

大丈夫。

何があってもきっと助けてくれるから。

大丈夫。

大丈夫。

大丈夫...。


そう何度も唱えていると、

腕に力が加わった。


「えっ...」


視線が交わる。

潮風が吹いてカーテンが勢い良く翻る。

まるで私の心の中みたいに...。


「それ、ありがと」

「あっ、はい。これを着けると、なんだか力が湧いてくるんです。こちらこそ、このような素敵なものを下さりありがとうございます」


私の言葉に凪くんはまたふっと笑みを溢し、腕を離した。

そして、

その腕で

私の耳を塞いだ。


「自分の鼓動だけ聞いて。そしたら、落ち着く」


私は大きく頷いて、凪くんの言う通りに自分の鼓動に耳を澄ませた。

周りの音を一切遮断して

沸き上がってくる熱を無視して

自分の呼吸だけを聞いて

刻んで

全てを忘れて

思い出した。


私が今やるべきことは、

ただ1つ。

失敗を恐れずに、

前に進むこと。

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