まだ、青く。
「んじゃあ、機嫌悪いと思うけど、よろしくな」

「はい。なんとか、頑張ってみます」


兆くんの家と凪くんの家は道路を挟んで斜め向かいのご近所さんだった。

私は兆くんと記事の打ち合わせをした後、彼に着いてくる形でここまで来た。

あの日以来だな...。

キビちゃんを送り届けて

私がずっこけたあの日。

まさか、また来ることになるとは...。

でも、見えないなら、

感じられないなら、

自分の目で耳で

確認するしかない。

だから、私はやって来た。

ここまで来て引き返す訳にも行かない。

インタビューの時よりも緊張して汗ダラダラだけど、突入するしかない。

震える足で石畳を踏みしめ、

扉に拳を向けた、

その時だった。


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