ややぽちゃ姫と3人の王子様



「むち君、今までありがとう」


「俺って、何に感謝されたわけ?」


「お兄ちゃん代わり、もうしなくていいよ」


「何オマエ。
 高校生になったからもう大人って、
 勘違いしてるだろ?」


「むち君と雨ちゃんがいなくても、
 私はもう、平気だから」

「それって。俺らの代わりに、
 大地って奴を頼るつもりじゃないだろな?」



 それは……

「わからない……」



 この先のことなんて、全くわからない。



 お兄ちゃんを死に追いやった罪悪感に、
 何の前ぶれもなく、襲われる毎日。



 心の痛みに耐えきれなくて

 私のことをわかってくれている
 むち君や雨ちゃんと一緒にいることで、
 ごまかしてきたけれど。



 二人のお兄ちゃんから、卒業したら……

 私の精神は……壊れずにいられるのかな?


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