ややぽちゃ姫と3人の王子様



 その日

 昼までには帰るって、母さんに伝え、
 近所をブラブラしてたのに。

 家までの道がわからなくなった俺。



 諦めモードで

 公園のドーム型滑り台の下にある
 トンネルの中で、情けなく縮こまっていると


『わぁ~。むち君だぁ~』


 トンネルの窓から顔を出したのは、
 隣の家に住む、望愛だった。





 道に迷ったなんて、
 誰にも知られたくなくて。


 でも、家には帰りたくて。



「暗くなる前に、家まで帰るぞ!」


 強気で言い放って

 俺は望愛の後をついて行くように、
 家に帰った。

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