狙われてますっ!
「大丈夫です。
 今日は絶対酔いませんから」
と汐音が言うと、渡真利が不思議そうな目で、こちらを見た。

 いや、渡真利さんが腰が触れるほど真横に居る緊迫感で、まったく酔いそうにはないからですよ……。

 乾杯の手すら震えそうだ、と思う汐音に輝美が声を張り上げ、訊いてくる。

「汐音、おむすび頼まなくていいのー?」

 輝美は真琴の手により、遠くの席にやられていた。

 なんだかんだで信用がないようだ。

「いや、なんでいきなり、締めですか……」

 などと言いながら、異様な緊迫感の中、汐音が呑んでいる頃。

 まだ仕事をしていた求は、武志に衝撃的な事実を告げられていた。




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