狙われてますっ!
 汐音たちの方を見ていた渡真利は言った。

「いや、俺もキウイはちょっと……」

「え? じゃあなんで、汐音と争ってたんですか」
と二人に問われ、まだ汐音の方を窺いながら、

「いや、弾みで……。
 たまたま目の前にあったので……」
とよくわからないことを言ってしまう。

「……なんか、汐音と同じこと言ってますね」
と真琴たちに笑われる。

 聞こえていたらしい汐音が、こちらを見て、

 今のは私のミスじゃないですよ……、
という顔をしていた。

 



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