狙われてますっ!
なんで俺が汐音を好きなことにすると、危険手当がいるんだろうな、と思いながら、渡真利は真琴と輝美に挟まれ、座っていた。
いつの間にか、席順が代わり、輝美が汐音の代わりに横に来ていて。
何故か真琴に睨まれている。
汐音は出入り口の方に移動していて、同い年くらいの女性社員たちと楽しそうに話していた。
だが、そのうち、父母たち男性社員が汐音に話しかけ始める。
おい、父母。
フェアにやるんじゃなかったのか……と渡真利は思う。
いや、汐音に話しかけただけで、フェアじゃないことにはならないと思うのだが。
向こうが気になって、あまり真琴たちの話が耳に入ってこなかった。
「そういえば、渡真利さん。
汐音とキウイサンド取り合ったんでしたよね?
でも、汐音、キウイは苦手だって言ってましたけど」
と真琴が笑う。