狙われてますっ!
「あの二人は上手くいくと、私のスパイ的洞察力が告げています」
そう車の中で汐音は宣言する。
公園より、山の上からの方が花火が大きく見えるという情報を有川がくれたらしく、汐音たちは求の車で移動していた。
車内には二人きり、輝美たちは居なかった。
湾岸沿いには屋台も出ているので、あの公園で見ると輝美たちが言ったからだ。
「スパイ的って、お前、ケーサツだろうが」
と横目に見た求に言われる。
いや、スパイっぽいことをしてるケーサツなんで……、と思いながら、汐音は言った。
「ともかく、二人で話してるとこを見て思いました。
あの二人は相性ピッタリですっ」
「……ドMとドSだからだろ。
俺でも見たらわかるぞ。
一目瞭然じゃないか」
それ、ケーサツの洞察力必要か? と言われてしまう。