狙われてますっ!




 ……何枚着てやがったんだ、こいつ。

 万が一、今日、いい雰囲気になっても、こんなに着てたら脱がせるの大変じゃないか、
と求は、まだ、せっせと脱いでいる汐音を見ながら思っていた。

 何枚着てんだ、お前は。
 白いタケノコか。

 実はそれ、白い防弾チョッキなんじゃないだろうな?

 俺に襲われないよう、渡真利さんが大量に着こませたとか?

 花火の雰囲気に汐音がうっかり流されても、これじゃ、脱がしている間に、正気に戻って、帰ってしまいそうじゃないか。

 やはり、渡真利さんの罠っ!? と求は思ったが。

 ある意味、輝美の罠だった。

 いや、輝美が大量に着て来いと言ったわけではないのだが。
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