狙われてますっ!
 白いタケノコ状態の汐音が気になって、チラチラ様子を窺いながらも、求は沈黙しないよう、会話を続ける。

「でも、仕事とは言え、たいして家事もできないのに、いきなり一人暮らしとか。
 親御さんは心配されたろう」

 しまった。
 気持ちが半分、タケノコに行っていたので、適当に会話してしまったっ、と求は気づく。

 心配されたろう、とか言って、一見、思いやっているようだが。

 たいして家事もできないのにとディスってしまっている……と求は慌てたが、汐音は特に気にしている風にもなく、普通に話してきた。

「そうなんですよね~。
 それで、おにいちゃんが間で様子を見に来てくれては、お母さんたちに報告してくれてるみたいなんですけど。

 今、あまり接触してはまずいので。
 遠くから見守ってくれてるだけで、うちには訪ねてこないんですよね。

 だから、私はいつ来てくれてるかわからないんですけど」

 求の頭の中で、繁が遠くから汐音の様子を確認し、うんうん、と頷いていた。

 まあ、これならホッコリなんだが……。
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