竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~
 ジェラールがミレイナを守るように、腰を抱き寄せる。

[怖くないよ。怪我の手当てをするだけだよ]

 イレーコがその魔獣を宥めるように話しかける。

[こいつらがこれを仕掛けた]
[え?]

 ミレイナはその魔獣の言っている意味がわからず、呆然とする。

[人間の姿をした奴があれを仕掛けるのを見た]

(あ、なるほど……)

 今度はすぐに意味が理解できた。

 この魔獣は、誰かしらの人間がこれと同じような罠を仕掛ける現場のを見たのだろう。それで、ミレイナのこともその仲間だと思って警戒しているのだ。

[この人間は大丈夫だ。耳が生えているだろう。半分俺達の仲間だ。普通の人間は俺達の言葉を理解できない]

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