片桐兄妹の言うことにゃ
学校指定のジャージがボロボロになってゴミ箱から見つけた時、燐は全てを諦めた。
もうその頃には、クラスで挨拶を交わす人間なんて居なかった。
害を被らないただ一つの策は学校に行かないことだ。燐はそれを知っていた。
中学も同じようなことがあったので、逃げ方は心得ていた。もう傷つくような心もない。
どうせ他人は、他人を娯楽や玩具としか思っていない。消費されるか、消費するか。
色々と御託を並べたものの、一番は高かった学校指定のジャージをボロボロにされたことに腹が立ったのだ。弁償させないと気が済まない。