蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない~
「月菜さん……本当に無理をしていませんか?」
そんな私の変化にも柚瑠木さんは気付いてくれて、優しい言葉をかけてくれます。けれど、今は柚瑠木さんになんとなく甘えられない気がして……
「大丈夫です、続きをお願いします。」
今の私に言えることはそれしかありませんでした。だって本当に辛いのは、悲しい過去を思い出しながら私に話している柚瑠木さんのはずなのですから。
それでも柚瑠木さんの過去を知りたい、苦しんでいる理由を貴方から話して欲しいと思ってしまうんです。
「……分かりました。僕の事を二階堂財閥の御曹司ではなく、ただの一人の人間として自然に接してくれる真澄さん相手に僕が心を開くまで大した時間はかかりませんでした。友人のように、時には姉みたいに振舞う真澄さんは、いつの間にか僕にとって特別な存在になっていて……」
柚瑠木さんの言葉に胸が「ズキン」と痛みます。やはり彼にとっての【特別】は真澄さんなのですね。これから先も、私が柚瑠木さんの一番の特別になれる日はこないのでしょうか?
「恋……をしたのですか?」
その答えを知りたくないのに、我慢出来ずに柚瑠木さんに聞いてしまったんです。
柚瑠木さんの事はどんな事でも受け入れると言ったのに、私はまだそんなに強くなれていないのかもしれません。