蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない~
私の問いかけによって柚瑠木さんの表情は曇り、彼が私への返答に悩んでいることが分かります。私だってこんな風に柚瑠木さんを困らせたいわけではないのに……
もしその答えが私にとって辛いものでも、きっと柚瑠木さんは嘘をついたりしないと思います。だって……大切な人に嘘をつかれたほうがずっと苦しいって事を、柚瑠木さんが一番分かっているはずですから。
「……そうですね、僕は真澄さんに恋をしていたんだと思います。多分、初恋でした。」
覚悟していた言葉でしたが、やはりショックでした。私と出会う前の柚瑠木さんが誰かに恋をしていた。そんなの当然なのに、真澄さんがその相手だと思うと苦しくて……
もし今も真澄さんが柚瑠木さんの傍にいたとしたら、私はここにはいなかったかもしれない、と。
「真澄さんのおかげで少しずつ僕も外の世界に目を向けるようになりました。誰よりも僕の事を親身になって考えてくれる真澄さんを、いつの間にか両親以上に信頼するようになっていて……」
そこまで話すと柚瑠木さんは私に「少し待っていてください」とだけ言って、寝室へと入っていきました。すぐに寝室から出て来た柚瑠木さんは、片手に小さなアルバムを持っていました。
「この人が、真澄さんです。そして……これがあの日起こった出来事、僕の悪夢の原因です。」
柚瑠木さんの見せてくれたアルバムには、活発そうでショートヘアーが似合う女性の写真。その隣には小さな新聞の切り抜きが貼り付けてあって……