政略夫婦の懐妊一夜~身ごもったら御曹司に愛し尽くされました~

「将来はきっと両親の決めた方と結婚すると思っていたから、こんなに好きになれる人と結婚できるなんて夢みたいで」

「うんうん。よかったね、美砂」

「ふふ、昔から桃香と夏樹くんみたいになりたかったから、本当にうれしい。皆が羨む理想のカップルだったでしょう?」

「……ん」

美砂のキラキラした視線に、私はティーカップを唇にあてたまま硬直する。

「お嬢様学校『アベリア女子学院』の〝姫〟こと姫川桃香と、名門『東帝大付属(とうていだいふぞく)学園』の〝王子〟財前夏樹! ふたりとも容姿端麗、頭脳明晰でファンクラブがあるほど人気者なのに、完璧な許嫁同士すぎて誰も邪魔できず! ドラマみたいで素敵だった~!」

「あははは……」

当時を思い出すと口角がひきつる。
あの頃から、私と夏樹はお互いの素を知っておりいがみ合ってきたけど、周囲には理想のカップルに映るように演じていたのだ。
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