政略夫婦の懐妊一夜~身ごもったら御曹司に愛し尽くされました~


◇ ◇ ◇

翌週、代官山にある『オトワホテル』のラウンジへやって来た。
女性に優しい薬膳茶とスコーンのアフタヌーンティーをいただきながら、向かいに座る美砂へリボンをかけた白い箱を差し出す。

「婚約おめでとう。美砂」

「きゃあ! ありがとう桃香ー!」

お祝いに用意したのは、ふわふわとした彼女に似合うピンクの花をあしらったフォトフレーム。
さっそく開けた美砂は頬を(ほころ)ばせながら、じっくりと観察している。

彼女、乙羽(おとわ)美砂と私は、幼稚舎から大学までエスカレーター式の『アベリア女子学院』の同級生で、もう十年以上の付き合いになる。

「婚約者、(あおい)さんだっけ? どんな方なの?」

「ふふ、すごく面白い人なの。アメリカでもたくさんトラブルがあったけど、いつも陽気で前向きに楽しんでて。御曹司っていうより、冒険家みたいな」

「あら、美砂にぴったりじゃない」

まるっきり美砂に似た彼の特徴に、自然と笑みがこぼれる。
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