政略夫婦の懐妊一夜~身ごもったら御曹司に愛し尽くされました~
「わが息子ながら、夏樹は目立つだろう? それに加えて次期社長という肩書きもある。どんなに厳しく育てても、よからぬ誘惑は寄ってくるものだ。でも夏樹にはずっと桃香ちゃんがそばにいてくれたから、そんな心配はいらなかったよ。だってこんな完璧な女の子が許嫁なら、よそ見する気にならないからね」
「おじさま、私を買いかぶりすぎです。夏樹さんは『ザイゼン』の名を背負い、いつも責任ある行動を努めていましたよ」
さてそれはどんな行動だったかしら?と自分の言葉に質問を返してやりたいくらいだが、それはやめておじさまに笑顔を向け続ける。
するとさらにおばさまが、少し恥ずかしそうに「それで、お孫ちゃんはいつ見られるのかしら?」と切り出した。
おそらく皆が聞きたかったが、聞けなかった質問だろう。
「まだ新婚だから気が早いよ」などと笑い合っているが、その目は等しくギラギラと私たちの様子をうかがっている。
さすがになんと返答しようか迷った私だが、ふいに、向かいに座る夏樹が頬杖をつき、右にいる全員に告ぐ。
「急かさないでくれ。心配しなくても、俺たちは毎晩励んでるからさ」