政略夫婦の懐妊一夜~身ごもったら御曹司に愛し尽くされました~
それから七時間が経った。
カーテンの隙間から見える空は真っ黒に染まっている。
午後八時。
痛みは五分間隔になり、助産師さんの言っていた通り、それはとてつもない、意識が飛びそうなほどの痛みだった。
私は陣痛室という個室に移動し、夏樹と、こまめに様子を見に来てくれる助産師さんと三人で嵐のような時間を過ごしていた。
「ハァッ……ハァッ……」
「財前さん。ゆっくり息を吐きましょう。ふーって。力を抜いた方が楽ですよ」
「はいっ……あっ、あーっ、痛い痛い痛い……! ちょっと夏樹っ、そこじゃないって言ってるでしょ!」
「どこだよ」
「もっと上! 腰!」
あれだけそばにいてとすがった夏樹に文句を言いながら、私はとにかく耐えていた。