◇君恋◇
「だから言っただろ?」
龍也が歩きながら言う。
一応人がいないからこう言う風に喋れる。
人がきたら仲の良い友達になればいい。
どっちにしても女子の視線は痛いけど;
「本当にスパッと言ったね?」
「あいつにはそれが一番だから」
本当に龍也は拓海くんのこと知ってるんだね…
私はなんだかおかしくなり笑ってしまった。
「何笑ってるんだ?」
「ふふふ、なんでもない!」
「それよりも約束したよな?」
約束?
や・く・そ・く
約束―!!
「忘れたなんて言わせない…帰ったら…わかってるな?」
「はい…」
やっぱり言わなきゃ良かった。
まさかこんな1日でその約束を果たす日がくるなんて…
それから私たちは別々に教室に戻った。
彼氏と彼女なんだから堂々としたいけど
龍也がそれを止めた。
私がいじめられるって思ったみたい…
実際に話してるだけで睨まれるしね;