死にたがりな君と、恋をはじめる
『死にかけたからじゃない?

 死にかけたせいで俺らみたいな類のものと存在が近くなったからとか』


「……私、まだ死んでないけど」






まだ死んでないのに、もう私こんな幽霊と同じ類に分類されてしまっているんだ。




まだ、死んでないのに。





まあ、死のうとはしていたけど……。





はあーっと息を吐き出す。






『……で? 君、奈月だっけ。奈月はどうして死のうとしたの』

「え?」



急な質問にワンテンポ遅れて、顔をしかめた。





「なんで幽霊なんかに言わないといけないの」


『固いこと言わないでよ、俺は奈月の言う通り幽霊だし。

誰にも言いふらす心配はないでしょ』





そう言うそいつはいたって真面目な顔で、私はしぶしぶ口を割った。





「……話を聞いても、楽しいものじゃないけど」



そう前置きをすると、息をつく。





震える手をぎゅっと握りしめた。


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