死にたがりな君と、恋をはじめる
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「うわぁあっ……高い……綺麗……」




待つこと数十分。





私は観覧車に乗り込むと、だんだんと高くなる景色にはしゃいで弾んだ声を上げていた。





今の時間帯では夕日が煌々と光っていて、ゴンドラを照らした。









私の向かいに座るレイは楽しそうに私の様子を見守っていて、それから夕日に目を向けた。






『本当だ。夕日めっちゃ綺麗だね』








レイの身体が赤い光を透過して見える。






いつも黒い瞳が夕日に照らされて、怪しく光った。








私はその様子を見ると、レイに向き直った。










「……さぁ、レイ。じゃあ教えてもらうよ」


『ん?』


「あの言葉の意味は何?」



『……あぁ』






決して逃がさないようにじいっと目を見つめて離さないでいると、レイは小さく息を吐いて黒い瞳をこちらに向けた。













『奈月はさ。いじめがつらくて、自殺したいんじゃないよね。……って話』



「……え?」





私は、目を大きく見開いた。








……違う。私が死にたい理由は、いじめがつらいからだ。ほかに理由なんて、ない。





そう、すぐに反論してしまおうとしたけど、声がかすれて出ない。







まるで図星をつかれたときのように心臓がどくんと大きく鳴って、私は誤魔化すかのように俯いた。








「レイは……さ。何か根拠があってそんな突拍子のないことを言っているの。適当に言ってたら、怒るよ」



『根拠かぁ……』





私の問いに、レイはんーと少し考えた。
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