死にたがりな君と、恋をはじめる
私は、彼を無視するのを諦めて、まっすぐに見つめた。
『俺のこと幻覚扱いしないでくれる?』
腕を組んでこちらを見つめる彼は、相変わらず儚い雰囲気を纏っていた。
……いや、違う。雰囲気だけじゃない。
照明の下で見た彼の体は、向こうのものが見えるほど、透き通っている。
それに、あの時私は死のうとして、屋上から飛び降りていた。
それが時が止まったかのように空中で体が止まったり、
かと思えば、一瞬のうちに屋上へ戻されたり。
透き通った体に、超能力らしき力。
ただの人じゃない、人なわけない。
こいつ……一体何者?