死にたがりな君と、恋をはじめる
『俺? 俺は幽霊だよ』
わ、考えていることを読まれた……ん。幽、霊?
「……え? 幽霊……って、嘘」
大声を上げて驚くこともできずに、ただ呆然とする。
けど、すぐに眉をひそめた。
「そんなわけ、ないでしょ。
言っておくけど私、そんな戯言を信じるほど純粋じゃないから」
睨むと、そいつはフッと唇の端に笑みを浮かべて、
その余裕そうな様子にイライラしてしまう。
『別に信じなくていいけど。
じゃあさっきの俺の超能力はどう説明するの? 目で見たことも信じないの?』
「うっ……」
私はぐっと言葉に詰まって、ゆるゆると俯いた。
指一つ動かすだけで、私の体を軽々と動かした。
そして、何よりもこの透き通った体と、
透明な地面でも歩いているみたいに夜空に浮かんでいたのを、
誰でもない、私は自分の目で確認したのだ。