イジメ返し―連鎖する復讐―
確かに条件は悪くない。

バッシュなら家にあるし、すぐに返すこともできる。

それを返すだけで二人にあたしの秘密を話さないと約束してくれるのならば返す価値はある。

だけど、咲綾が裏切らないとも限らない。

もしバッシュを返した後で二人に全てを打ちあけられたらすべてが水の泡だ。

それどころか売らずに咲綾に返したなどと知られたら二人の怒りの矛先があたしに向いてもおかしくない。

そうなれば必死になってこの三年間二人の顔色をうかがって過ごしてきたことが無駄になる。

どうしよう……。

頭の中をフル回転させて考える。

「どうするの。返す?返さない?簡単なことだと思うけど」

あたしの感情を逆なでするように咲綾が追い打ちをかける。

「……分かった。返すよ」

「よかった。じゃあ、明日必ず持ってきてね」

あたしの言葉に咲綾は満足げに言うと、再び走り出した。

その背中をキッと睨み付ける。

「あたしを脅すとか……マジであり得ないんだけど」

どうしたら再び咲綾を傷付けられるだろう。

頭の中でそんなことばかり考えていた。
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