イジメ返し―連鎖する復讐―
「……だからあなたはノエルのことを一度も名前で呼ばなかったのね……」

「当たり前だ!アイツは俺と血の繋がりなどない!!」

「でもノエルはあなたを喜ばせようといつだって頑張っていたじゃない!勉強だって運動だって……マリアと同じぐらいできたのにあなたは一度だってノエルを褒めてあげなかった」

「どうして俺がアイツを褒めてやる必要がある?俺はお前が不倫して妊娠したときに心に決めた。お前の子供が高校を卒業するまで手元に置くことを。そして、お前と一緒にこっぴどく捨てて路頭に迷わせてやることを」

「そんな……!!今さらひどいわ!!」

「ひどいだと……?不倫して妊娠したお前の方がひどいだろう!?だが気が変わった。高校を卒業などさせてやる必要はない。そんな優しさなどお前たちに与える必要なんてなかったんだ」

父はテーブルに何かを叩きつけた。

それが離婚届だと知り母の顔色が変わった。

「この家からアイツと一緒に出ていけ。お前たちなどいらない。俺に必要なのはマリアだけだ」

「そ、そんなの無理です……。私一人じゃ……。仕事だってあなたに養ってもらっていたからもう何十年もしていないし……それに……」

「お前は俺と暮らしたいのか?」

「ええ、もう二度とあなたを裏切らない。前にも約束したでしょう?あの日から……ずっと私はあなたに尽くしてきたのよ」

「だったら、アイツを捨てろ」

「え……?」

「アイツを捨てるんだ。俺はお前に対しての情はまだある。でも、アイツは別だ。アイツの中にはあの男の血が流れている。アイツを捨てて俺とお前とマリアの3人で暮らすという条件は飲めるのか?」

父の言葉に母がごくりと唾を飲みこむ。

モニター越しあたしも息を飲んだ。
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