君、思う。[短篇]
「あ…っ、英語のプリント!」
朝の出来事で忘れていた。
今日は英語の小テスト。浩介に借りに行かなきゃ。
「…プリント?」
眠そうに欠伸をしながら健司が私をチラリと見る。
「今日、小テスト!浩介のクラス行かなきゃ!」
休み時間残り5分。
浩介のクラスは2つ隣だからギリ間に合う!
私は急いで椅子から立ち上がると、ダッシュで浩介のクラスへと向った。
「…浩介ー?」
他のクラスって何だか分からないけどドキドキする。ドアからそーっと顔を出し、中の様子を伺う。
何処にいるんだろ。
ぐるりと教室を1回見渡し
やっと浩介を確認した。
…あんな所にいるよ。
はぁっと溜息が落ちた。
クラスの後ろの方で
男子の友達と戯れてる浩介。
あんな所に行けるわけないじゃない。
「どうしよ…。」
1人教室の前でウロウロ。
ここで借りなきゃ絶対0点だし、
でも、話しかけられないし…。
と、頭を悩ませていたその時。
「あっれー!愛莉じゃん。」
「ふ、芙美江!!」
廊下ひょっこり顔を出したのは2年の時同じクラスで仲のよかった芙美江だった。
「なんか覗いてる人いるなーって思ったら愛莉か!何?浩介君に用事?」
にこりと笑った芙美江は
私の手を引き教室の中へと入る。
「あたしが呼んで上げるって。」
「へ!?」
ニヤリと笑った芙美江は
私の手を握りながら大声で叫んだ。
「浩介くん!愛莉来てるよー」
ちょ、ちょ、ちょっとー!!
そんな大声…っ